大相撲の本場所や巡業において、全取組の終了後に土俵上で行われる弓取り式を見たことがあるでしょうか。勝者の舞とも呼ばれるこの儀式は、一日の締めくくりとして非常に神聖かつ重要な意味を持っています。しかし、あの大役を務めている力士がどのように選ばれているのか、その具体的な基準を知る人は多くありません。実はそこには、横綱との深い関係性や厳格な階級のルールが存在しているのです。
- 原則として最高位である横綱の部屋から選出される
- 弓取り式を行う力士は幕下以下の階級である
- 万が一のための代役や継承のシステムがある
華麗なバトンのような弓さばきに目を奪われますが、その裏側には力士たちの知られざる努力と伝統があります。この記事では、弓取り式を行う力士の選び方や条件、そして彼らが背負う役割について詳しく解説します。これを知れば、千秋楽までの楽しみがまた一つ増えるはずです。
弓取り式力士の選び方と条件とは?階級や横綱との関係性
大相撲の全取組終了後に行われる弓取り式は、一日を締めくくる重要な儀式として知られています。この大役を任される力士には明確な選び方があり、単に器用なだけではなれるわけではありません。基本的には横綱がいる部屋から選出されるという伝統が、古くから角界で守られ続けてきました。ここでは知られざる選考基準や条件について、具体的な例を挙げながら詳しく解説します。
原則は横綱の部屋の幕下力士
弓取り式を務める力士は、原則としてその時の横綱と同じ相撲部屋に所属している者が選ばれます。これは弓取り式が、本来は横綱が受け取った賞品の弓を代わりに受け取り舞ったことに由来するからです。そのため、横綱が誕生するとその部屋から新しい弓取り担当が指名されることが通例となっています。
選ばれる力士の階級は、主に関取の一歩手前である幕下力士であることがほとんどです。十両以上の関取になると本場所での自分の取組や支度が忙しくなるため、儀式を行う時間の確保が難しくなります。逆に序二段以下では経験不足とされることが多く、実力と経験のバランスが取れた幕下が適任とされています。
ただし、必ずしも幕下でなければならないという厳密な明文化されたルールがあるわけではありません。過去には三段目の力士が務めた例もあり、状況に応じて柔軟に対応されることもあります。それでも、土俵上での堂々とした振る舞いが求められるため、ある程度の実力者が選ばれる傾向にあります。
弓取り式担当は横綱の付き人が務める
弓取り式を行う力士の選び方において、横綱の付き人であるかどうかは非常に重要なポイントになります。横綱の身の回りの世話をする付き人は、常に横綱と行動を共にし、信頼関係が構築されている人物です。横綱の代理として弓を受け取るという歴史的背景からも、最も身近な存在が選ばれるのは自然な流れと言えます。
付き人の中でも、特に運動神経が良く、器用で真面目な性格の力士が抜擢される傾向にあります。弓を落とさずに美しく回す技術は一朝一夕では身につかないため、日々の稽古を真摯に行える資質が必要です。また、大観衆の前で一人で土俵に上がる度胸も求められるため、精神的な強さも選考の基準となります。
横綱土俵入りに参加する付き人と弓取り式担当が重複することもあり、その負担は決して軽くありません。しかし、テレビ中継にも映る晴れ舞台であるため、力士にとっては名誉な役割でもあります。師匠や横綱からの推薦を受けて、責任感を持ってその任に就くのです。
横綱不在時の選び方と大関の役割
相撲界には横綱が一人もいない時期や、横綱が休場している場所も当然ながら存在します。そのような場合、弓取り式を行う力士の選び方はどのように変化するのでしょうか。基本的には、横綱に次ぐ地位である大関の所属部屋、あるいは一門の中から選出されることが一般的です。
特定の横綱が不在の場合でも、以前から弓取りを務めていた力士が継続して行うケースが多く見られます。一度技術を習得した力士は貴重な存在であり、頻繁に担当者を変えることはリスクが高いからです。そのため、横綱が引退した後も、その部屋の力士がしばらく務め続けることは珍しくありません。
また、ごく稀なケースですが、ベテランの弓取り力士が部屋や一門の枠を超えて指名されることもあります。これは儀式の質を維持するため、経験豊富なスペシャリストに任せるという判断が働くためです。形式よりも、神聖な土俵を締める儀式の完成度が優先される場合もあるのです。
弓取り式を務める力士の待遇と給金
特別な技術を要する弓取り式ですが、担当したからといって番付が上がったり、勝敗に影響したりすることはありません。しかし、その労力に見合った手当として、日本相撲協会から特別な手当が支給されています。これは幕下以下の力士にとっては、非常に大きな収入源となり、生活を支える重要な要素となります。
具体的な金額は公開されていませんが、場所ごとに手当が出るほか、化粧回しの着用が許されるなどの特権もあります。通常、関取にならなければ締められない化粧回しをつけられることは、幕下力士にとって大きなモチベーションです。また、千秋楽まで務め上げた際には、ファンや後援会からご祝儀が出ることもあります。
金銭面だけでなく、名前と顔を全国の相撲ファンに覚えてもらえるというメリットも見逃せません。将来関取に昇進した際に、すでに知名度があることは大きなアドバンテージとなります。厳しい稽古の合間を縫って練習する価値は、十分に高いと言えるでしょう。
聡ノ富士のような名人の存在と技術
弓取り式の歴史を語る上で欠かせないのが、長年にわたり弓取りを務め、名人と呼ばれた聡ノ富士さんの存在です。彼は伊勢ヶ濱部屋所属で、日馬富士の横綱昇進を機に弓取り式を担当するようになりました。その技術の高さと所作の美しさは群を抜いており、多くのファンを魅了しました。
聡ノ富士さんは、本場所だけでなく巡業でも弓取りを行い、その回数は歴代でもトップクラスを誇ります。彼の弓さばきは非常に高速で正確であり、重い弓をまるで身体の一部のように扱っていました。彼の存在は、弓取り式が単なる儀式ではなく、一つの芸として完成されていることを証明しました。
彼の引退後、その技術や心構えは後輩たちへと受け継がれようとしています。名人と呼ばれる力士が生まれる背景には、本人の並外れた努力と、それを支える周囲の環境があります。次世代の力士たちがどのような個性を発揮するのか、注目が集まっています。
弓取り式の歴史と本来の意味
現在では相撲放送の最後に見られる華やかなショーのような印象もありますが、弓取り式には深い歴史と意味があります。単なるパフォーマンスではなく、神事としての側面や武士の時代の名残を色濃く残しているのです。この背景を知ることで、力士の所作一つ一つに込められた重みを感じることができるでしょう。
選び方だけでなく、その起源を知ることは、相撲という文化を理解する上で欠かせません。平安時代から現代に至るまで、形を変えながらも受け継がれてきた伝統について掘り下げていきます。勝者の舞に込められた本来の願いとは何なのかを確認しましょう。
平安時代から続く勝者の舞
弓取り式の起源は非常に古く、平安時代に行われていた相撲節会にまで遡ると言われています。当時の相撲は宮中行事であり、勝った力士には褒美として弓が与えられていました。その弓を受け取った勝者が、喜びを表現するために舞ったのが始まりとされています。
当時は現在のように特定の担当者が行うものではなく、その日の結びの一番の勝者が行っていました。つまり、実力で勝利を掴み取った者だけが許される、正真正銘の勝者の舞だったのです。このことからも、弓という道具が武勇や勝利の象徴として扱われていたことが分かります。
時代が下り、江戸時代になると相撲興行が庶民の間で人気を博すようになります。この頃から、千秋楽にのみ行われる特別な儀式として定着していったと言われています。力士が弓を回す姿は、邪気を払い、場を清めるという意味合いも持つようになりました。
現在の形式になった明治時代の背景
現在のように毎日弓取り式が行われるようになったのは、明治時代に入ってからのことです。明治42年の旧両国国技館の完成を機に、相撲協会が興行としての演出を強化したことが背景にあります。千秋楽だけでなく、毎日の打ち出し後に観客を楽しませるために制度化されました。
この変更により、結びの一番の勝者ではなく、専門の力士が代行して行う形式が定着しました。横綱が毎日勝つとは限らず、また激しい取組の直後に舞うことが身体的な負担となるためです。こうして、「横綱の代理」としての弓取り力士という地位が確立されました。
形式が変わっても、勝者に代わって賞品を受け取り、天下泰平を祝うという精神は変わっていません。明治、大正、昭和と時代を超えて、その形式美は磨かれ続けてきました。現代の力士たちも、先人たちが築いた型を崩さぬよう、厳格に継承しています。
作法に込められた五穀豊穣の願い
弓取り式の所作には、単なる勝者の舞以上の深い宗教的な意味が込められています。力士が四股を踏み、弓を大きく振る動作は、大地の邪気を払い、清める儀式です。これは相撲自体が持つ、神事としての性格を色濃く反映している部分です。
また、弓を回す動作には、五穀豊穣を願う意味も含まれているとされています。雨や風を鎮め、農作物が無事に実ることを祈る、農耕儀礼としての側面も持ち合わせているのです。土俵という神聖な場所で、自然への感謝と畏敬の念を表現していると言えるでしょう。
したがって、弓取り式を行う力士には、神職に近いような厳かな心構えが求められます。派手なパフォーマンスに見えるかもしれませんが、その根底には日本古来の祈りがあります。観客もまた、その神聖な空気を感じ取り、一日の終わりを静かに見守るのです。
弓取り式を行う力士の苦労と練習
華やかな土俵上の姿とは裏腹に、弓取り式を務める力士には大変な苦労とプレッシャーが伴います。本場所での自分の取組を行いながら、一日の最後に再び土俵に上がる準備をしなければなりません。肉体的にも精神的にもタフでなければ務まらない、過酷な役割であると言えます。
ここでは、普段あまり語られることのない、彼らの舞台裏の努力に焦点を当てます。特殊な技術を習得するための稽古や、失敗が許されない緊張感との戦いについて詳しく見ていきましょう。彼らの努力を知れば、弓取り式を見る目が変わるはずです。
本場所の取組と弓取りの両立
弓取り式を担当する力士も、当然ながら本場所では自分の相撲を取らなければなりません。幕下力士であれば、15日間のうち7番の取組が組まれます。自分の勝敗に一喜一憂する間もなく、結びの一番に向けて気持ちを切り替え、準備を整える必要があります。
特に自分が負けた日や、怪我をしている時でも、弓取り式を休むことは許されません。どんなに悔しくても、土俵上では凛とした表情で、完璧な所作を見せることが求められます。この感情のコントロールこそが、弓取り力士にとって最も難しい部分の一つかもしれません。
また、取組の時間と弓取り式の時間には大きな開きがあるため、待ち時間の過ごし方も重要です。体が冷えないように調整し、集中力を維持し続けることは容易ではありません。自己管理能力の高さも、この役目を果たす上で欠かせないスキルとなっています。
重い弓を扱うための特別な稽古
弓取り式で使用される弓は、見た目以上に長く、そして重いものです。長さは約2メートルもあり、竹と麻で作られていますが、先端には飾りがついておりバランスを取るのが困難です。これを片手で高速に回転させたり、空中に放り投げたりするには、相応の筋力とコツが必要です。
新しく担当に選ばれた力士は、兄弟子や先代の担当者からマンツーマンで指導を受けます。手首の皮がむけ、豆が潰れるほどの猛特訓を重ねて、ようやく基本を習得します。本場所中も、朝稽古の後に必ず弓の練習を行い、感覚を鈍らせないように努めています。
特に風のある屋外の巡業などでは、弓が風に煽られてコントロールを失う危険性があります。どのような環境でも安定した技を見せるために、様々な状況を想定した練習が行われます。優雅に見える動きの裏には、血のにじむような反復練習があるのです。
万が一弓を落とした時の対処法
人間が行うものである以上、どんなに熟練した力士でも、弓を落としてしまうミスは起こり得ます。しかし、神聖な土俵上に弓を落とすことは不吉とされ、厳しく忌避されてきました。万が一落としてしまった場合には、手で拾い上げるのではなく、足を使って拾うという独特の作法があります。
これは、土俵に手をつくことが「負け」を意味する相撲において、縁起を担ぐためのルールです。足の指で器用に弓を挟み、跳ね上げて手でキャッチするという高度な技術が要求されます。失敗した上にさらに難しい技を成功させなければならないため、力士にとっては最大のピンチです。
観客にとっては珍しい光景ですが、本人にとっては冷や汗が出る瞬間であることは間違いありません。こうしたリカバリーの方法まで含めて、弓取り式の作法は細部まで決められています。失敗を恐れず、堂々と振る舞う度胸が試される瞬間でもあります。
知っておきたい弓取り式の豆知識
弓取り式には、テレビ中継ではなかなか伝わりにくい、マニアックな見どころや豆知識が数多く存在します。選び方や歴史といった基本的な知識に加えて、こうした細部を知ることで、相撲観戦の奥深さをより感じることができるでしょう。
名人の引退後の動向や、日によって変わる微妙な作法の違いなど、通好みの情報をご紹介します。これらの知識を持っていれば、友人や家族と相撲を見る際の会話も弾むこと間違いありません。意外と知られていないトリビアをチェックしていきましょう。
初日と千秋楽で変わる作法の違い
毎日同じように見える弓取り式ですが、実は初日と千秋楽では作法が異なることをご存知でしょうか。通常の日には「四方固め」と呼ばれる、東西南北の四方向に弓を振る動作が行われます。しかし、千秋楽に限っては、これに加えて特別な所作が追加されることがあります。
千秋楽は15日間の戦いが終わる区切りの日であり、無事に興行を終えた感謝を表す意味合いが強くなります。そのため、より丁寧に、時間をかけて行われる傾向があります。また、NHKの放送時間も千秋楽は延長されることが多く、最後までじっくりと映されることが多いです。
力士によっては、千秋楽のみ掛け声を大きくしたり、足の運びを変えたりする工夫を凝らすこともあります。その場所の集大成としての気迫がこもった舞は、見る者の心を打ちます。初日と千秋楽を見比べて、その違いを探してみるのも面白い楽しみ方です。
化粧回しは誰のものを使っているか
弓取り式を行う力士は幕下以下であることが多いため、自分の化粧回しを持っていません。では、あの煌びやかな化粧回しは一体誰のものなのでしょうか。基本的には、所属する部屋の横綱や大関、あるいは部屋所有のものを借りて着用しています。
横綱の化粧回しセットには、「太刀持ち」「露払い」用のほかに、予備や弓取り用が含まれている場合があります。一門や後援会から贈られた由緒ある化粧回しを身につけることは、力士にとって身が引き締まる思いでしょう。色やデザインにも注目すると、どの関取に関連するものか推測できることもあります。
聡ノ富士さんのように長く務めた名人の場合、後援会から個人的に化粧回しを贈られるという異例のケースもありました。これは彼の実績と貢献が認められた証であり、非常に名誉なことです。化粧回し一つにも、力士と周囲の人々のドラマが隠されているのです。
退場時の所作までが見せ場となる
弓取り式の見せ場は、弓を回している最中だけではありません。全てが終わった後、土俵を降りて花道を引き揚げるまでの姿も重要なパフォーマンスの一部です。礼を終え、弓を持って颯爽と歩く姿には、歌舞伎の見得のような美しさがあります。
特に退場する際、観客からの拍手に軽く会釈で応えたり、キリッとした表情を崩さなかったりする姿勢が好まれます。最後まで気を抜かず、役になりきって演じ切ることが、良い弓取り力士の条件とされています。観客もその背中に、惜しみない拍手を送ります。
放送では途中で切り替わってしまうこともありますが、現地観戦では最後までその姿を見届けることができます。土俵を去るその瞬間までが弓取り式であり、美学の結晶なのです。細部まで徹底された所作の美しさを、ぜひ堪能してください。
観戦時に注目したいポイント
弓取り式をより深く楽しむためには、漫然と眺めるのではなく、具体的なポイントに注目して見ることが大切です。力士の選び方を知った上で、技術的な凄さや個性を発見できれば、その魅力は倍増します。ここでは、初心者でも分かりやすい観戦のポイントを3つに絞って解説します。
一見すると同じように見える動作でも、力士によってスピードやキレ、安定感に大きな違いがあります。それぞれの力士が持つ個性や工夫を感じ取ることで、好みの弓取り力士が見つかるかもしれません。次回の観戦時にぜひチェックしてみてください。
足運びと四股の美しさをチェック
弓の動きに目を奪われがちですが、実は下半身の動きにこそ力士の技量が表れます。土俵上ですり足を行いながら、重心を低く保って移動する足運びは、相撲の基本動作そのものです。上半身が激しく動いても、下半身がブレない力士は、非常に安定して見えます。
また、要所で行われる四股の美しさも重要なチェックポイントです。足を高く上げ、力強く踏み下ろす動作は、邪気を払うという意味を持つ核心部分です。この四股がきれいな力士は、全体の所作も美しく、格式高い雰囲気を醸し出します。
足の指先まで神経が行き届いているか、腰の位置が高いままでないかを見てみましょう。熟練者は音の響きまで異なり、土俵全体に重厚な音が響き渡ります。土台となる下半身の安定感こそが、美しい舞を支えているのです。
弓を回すスピードと安定感の違い
弓を回すスピードは、力士によって明確な差が出るポイントです。手首の柔らかさと筋力を活かして高速で回すタイプもいれば、ゆったりと大きく回して優雅さを強調するタイプもいます。どちらが良い悪いではなく、それぞれの持ち味として楽しむことができます。
特に難しいとされるのが、弓を放り投げてキャッチする瞬間や、背中側で回す動作です。ここで弓が暴れず、ピタッと決まるかどうかで、練習量の多さが分かります。上手な力士は、弓がまるで手に吸い付いているかのように、滑らかにコントロールしています。
風の影響を受けやすい屋外や、空調の風が流れる会場では、より高度な技術が求められます。環境に合わせて回し方を微調整できる力士は、真のテクニシャンと言えるでしょう。その巧みなハンドリング技術に注目してください。
退場時の所作までが見せ場となる
弓取り式は、土俵上の演舞が終わった後の退場シーンまでが見どころです。全てを終えて土俵を降りる際、緊張から解放された表情を見せることなく、最後まで凛とした態度を崩さないことが求められます。花道を下がるその後ろ姿までが、儀式の一部として完成されているのです。
観客からの「よいしょ!」という掛け声や拍手に対し、どのように応えるかも力士の個性が表れます。過度なアピールは慎まれますが、視線の配り方や歩く姿勢で、観客への感謝を表現します。この余韻を楽しむことも、現地観戦ならではの醍醐味と言えます。
テレビ中継では放送時間の都合でカットされることも多い部分ですが、現地に行く機会があればぜひ最後まで見届けてください。一日の相撲興行を締めくくるにふさわしい、清々しい空気が会場を包み込む瞬間です。その美しい去り際までを含めて、弓取り式という伝統芸能なのです。
弓取り式力士の選び方まとめ
ここまで、大相撲の弓取り式を行う力士の選び方や条件、そしてその背景にある歴史や技術について解説してきました。華やかな儀式の裏には、横綱の付き人という立場や幕下という階級の制約、そして厳しい稽古の日々があることがお分かりいただけたでしょうか。単なるパフォーマンスではなく、神事としての重みを持った伝統行事なのです。
- 原則は横綱の部屋の幕下力士が選ばれる
- 横綱の代理として勝者の舞を行う意味がある
- 特別な手当は出るが番付には影響しない
弓取り式は、激しい勝負の世界である大相撲において、一服の清涼剤のような役割を果たしています。次回の本場所中継や観戦の際には、ぜひ結びの一番が終わった後もチャンネルを変えずに、その美しい所作に注目してみてください。力士の選び方を知った上で見る弓取り式は、これまで以上に味わい深いものになるはずです。
—“`


コメント