大関の年収を調べると、月給だけで3000万円という数字を目にする一方で、懸賞金や優勝賞金を含めるともっと高いのではないかと感じる人も多いはずです。
大相撲の収入は一般的な会社員の給与やプロスポーツ選手の年俸とは仕組みが違い、番付に応じた固定給に加えて、本場所の成績、人気取組にかかる懸賞、優勝時の賞金、積み上げ型の褒賞金などが重なっていきます。
特に大関は横綱の一歩手前に位置する看板力士であり、協会からの待遇は高いものの、負け越しによる角番や陥落のリスク、付き人や後輩への支出、後援者との付き合いなど、表からは見えにくい負担も抱えています。
この記事では、大関の年収の目安を固定給だけでなく成果収入や支出面まで含めて整理し、横綱や関脇以下との違い、手取りを考える際の注意点、ネット上の金額を読むときに誤解しやすいポイントまで具体的に解説します。
大関の年収の目安
大関の年収は、まず協会から支給される月給を基準に考えると理解しやすくなります。
複数の報道や解説では、2019年の増額後に大関の月給は250万円、年額では3000万円と紹介されており、これが大関の固定的な年収の中心になります。
ただし、大相撲では給与以外にも懸賞金、優勝賞金、力士褒賞金などが加わるため、実際の総収入は同じ大関でも勝ち星、取組の注目度、優勝争いへの関わり方によってかなり変動します。
固定給は年3000万円が軸
大関の年収を最もシンプルに見るなら、月給250万円を12か月分にした年3000万円が基本の目安になります。
この金額は番付に応じて支給される固定的な給与であり、勝ち越した場所だけ増える歩合給ではなく、大関という地位そのものに対する待遇として考えるとわかりやすいです。
たとえば毎日新聞出版系の解説記事でも、横綱は月額300万円、大関は月額250万円、関脇と小結は月額180万円という形で紹介されています。
つまり大関の年収を語るときは、まず固定給3000万円を下限に近い基礎部分として置き、その上に場所ごとの成果や人気に応じた収入がどれだけ乗るかを見ていく必要があります。
月給だけでは実態が見えにくい
大関は月給が高い一方で、年俸制のプロ選手のように契約更改で一気に増減する仕組みではなく、番付と協会の給与体系に連動する点が特徴です。
そのため、同じ大関でも毎場所安定して二桁勝利を挙げる力士と、休場や角番が続く力士では、固定給は同じでも懸賞金や賞金の差によって年間の総収入に開きが出ます。
| 項目 | 大関の目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 月給 | 250万円 | 番付に応じる固定部分 |
| 年額 | 3000万円 | 月給12か月分 |
| 賞与 | 原則なし | 一般的なボーナスとは違う |
| 上乗せ | 変動 | 懸賞金や賞金で増える |
ネット上で大関の年収が3000万円と書かれている場合は、あくまで固定給だけを指していることが多く、実際の収入全体を知るには上乗せ部分を分けて確認することが大切です。
懸賞金で上振れする
大関の年収を大きく押し上げる代表的な収入が、幕内の取組にかけられる懸賞金です。
日本相撲協会の懸賞案内では、懸賞は1本7万円税込みで、そのうち勝ち力士獲得金額は6万円、手数料は1万円と示されています。
大関は注目度の高い結び前後の取組に組まれやすく、人気力士や横綱候補との対戦では懸賞が多く集まるため、白星を重ねるほど給与とは別の収入が増えます。
- 懸賞は幕内取組にかかる
- 勝った力士が獲得する
- 人気取組ほど本数が増えやすい
- 大関は注目取組に出やすい
- 勝率が収入差に直結する
ただし懸賞金は勝った取組でしか得られないため、人気があっても負けが込めば伸びにくく、固定給よりも成績の影響を強く受ける収入だと考えるべきです。
優勝賞金は別枠になる
大関が幕内最高優勝を果たした場合、固定給や懸賞金とは別に優勝賞金が加わります。
幕内優勝の賞金は1000万円と紹介されることが多く、優勝争いに絡む大関にとっては年収を大きく押し上げる要素になります。
1年に6回ある本場所のうち、1回でも優勝すれば単純計算で固定給3000万円に1000万円が加わるため、そこに懸賞金や褒賞金を足すと年収4000万円台以上が現実的に見えてきます。
一方で優勝賞金は毎年必ず得られる収入ではなく、横綱や好調な関脇以下との競争に勝つ必要があるため、大関の標準年収として固定的に見込むのは避けたほうが正確です。
褒賞金が成績を反映する
大相撲には、勝ち越しや優勝などの実績に応じて積み上がる力士褒賞金という仕組みがあります。
労働政策研究・研修機構の論稿では、大相撲の給与制度を職能給と褒賞金の二階建てとして説明しており、褒賞金は持ち給金とも呼ばれる成績給的な性格を持つものとされています。
大関まで上がる力士は長い期間で勝ち越しや好成績を重ねているため、若手の関取よりも持ち給金が厚くなっている場合があり、年収を見るうえで無視できない上乗せ要素になります。
ただし褒賞金の金額は力士ごとの経歴や過去の実績によって異なるため、外部から一律に計算するのは難しく、公開情報だけで正確な年収を断定しにくい理由にもなっています。
手取りは額面より小さくなる
大関の年収を考えるときは、額面収入と手取り収入を分けて見る必要があります。
月給、懸賞金、優勝賞金などは課税対象になり得る収入であり、実際に手元に残る金額は所得税や住民税、社会保険料、必要経費の扱いによって変わります。
また力士は部屋で生活する若い衆を食事に連れて行く、付き人に心付けを渡す、後援会や関係者との交流に参加するなど、番付が上がるほど見えにくい支出も増えやすくなります。
そのため、大関の年収を3000万円以上と聞くと非常に高く感じますが、実際の可処分所得や資産形成のしやすさは、収入総額だけでなく税金と支出のバランスまで見ないと判断できません。
人気と勝ち星で差が広がる
大関の固定給は同じでも、年収の上振れ幅は人気と勝ち星で大きく変わります。
懸賞は注目される取組に集まりやすいため、話題性のある大関、優勝争いの中心にいる大関、横綱昇進が期待される大関ほど収入増の機会が増えます。
一方で休場が多い大関や、負け越しが続いて角番になる大関は、土俵に上がる取組数や勝利数が減るため、懸賞金や優勝賞金の面では伸びにくくなります。
つまり大関の年収は固定給3000万円で横並びに見えますが、実際には同じ地位の中でも、強さ、健康状態、観客人気、スポンサーの注目度が組み合わさって大きな差が生まれます。
大関の収入を左右する仕組み

大関の年収は、固定給だけを見れば比較的わかりやすいものの、総収入として見ると複数の制度が絡みます。
大相撲は年間6回の本場所を中心に成績が評価される競技であり、日本相撲協会も一月、三月、五月、七月、九月、十一月の本場所を挙行していると説明しています。
ここでは、大関の収入を動かす固定給、成果収入、人気収入の関係を整理し、なぜ同じ大関でも年収の印象が変わるのかを見ていきます。
固定給は番付で決まる
大関の固定給は、基本的にその力士が大関という番付にいることによって支給される収入です。
勝った取組の数に応じて毎月の給与が細かく変わるわけではないため、成績が悪い場所があっても、ただちに月給が日割りで下がるような仕組みとは異なります。
| 収入の性質 | 変動要因 | 大関への影響 |
|---|---|---|
| 固定給 | 番付 | 地位が続く限り安定 |
| 懸賞金 | 勝敗と人気 | 白星で増える |
| 優勝賞金 | 優勝 | 一気に上乗せ |
| 褒賞金 | 実績の累積 | 個人差が出る |
この固定給の安定性があるからこそ、大関は高収入に見えますが、角番や陥落によって番付が変われば待遇も変わるため、地位を維持すること自体が収入維持の前提になります。
成果収入は場所ごとに動く
大関の年収で変動しやすいのは、場所ごとの成果に連動する部分です。
本場所は年6回あり、各場所で勝ち越すか、優勝争いに残るか、注目の取組で勝つかによって、懸賞金や賞金の入り方が変わります。
- 白星が多い
- 優勝争いに残る
- 人気力士と対戦する
- 結び付近に組まれる
- 休場せず出場する
成果収入は調子が良い年ほど伸びますが、けがや休場があると急に減るため、安定収入というよりも競技成績に連動する上振れ要素として考えるのが自然です。
人気は懸賞の本数に表れる
大関の人気は、観客の声援だけでなく懸賞の本数にも反映されます。
懸賞は企業や団体が幕内取組にかけるもので、注目度の高い取組ほど多く集まる傾向があり、人気のある大関ほど勝ったときの収入インパクトが大きくなります。
ただし人気があっても、すべての取組に同じ本数の懸賞がかかるわけではなく、対戦相手、場所の展開、優勝争いの状況、メディアの注目度によって本数は変動します。
大関の年収を推測するときは、固定給だけでなく、その力士がどれだけ注目取組に出て、どれだけ勝ち切ったかを見ることで、より実態に近いイメージを持てます。
番付ごとの収入差
大関の年収を正しく理解するには、他の番付との比較が欠かせません。
大相撲では十両以上の関取と幕下以下で待遇に大きな差があり、さらに関取の中でも横綱、大関、関脇、小結、前頭、十両で固定給が段階的に分かれます。
大関は横綱に次ぐ高待遇ですが、横綱とは責任や注目度が違い、関脇以下とは番付維持の条件や収入の安定感が違うため、単純な金額差だけでなく地位の意味も合わせて見る必要があります。
横綱との差は固定給で年600万円
横綱の月給は300万円、大関の月給は250万円と紹介されることが多く、固定給だけで比較すると月50万円、年600万円の差になります。
この差は大きいものの、大関も固定給だけで年3000万円に届くため、関取の中では最上位層の待遇であることに変わりはありません。
| 番付 | 月給目安 | 年額目安 |
|---|---|---|
| 横綱 | 300万円 | 3600万円 |
| 大関 | 250万円 | 3000万円 |
| 関脇・小結 | 180万円 | 2160万円 |
| 前頭 | 140万円 | 1680万円 |
| 十両 | 110万円 | 1320万円 |
ただし横綱は引退勧告の圧力や横綱としての品格責任も重く、大関は角番制度による陥落リスクがあるため、収入差は単純な上下関係だけでなく地位ごとの重圧の違いとしても理解できます。
関脇以下とは安定感が違う
大関と関脇以下の大きな違いは、固定給の金額だけではありません。
大関は2場所連続で負け越さなければ直ちに陥落しない地位であり、一定の保護があるため、関脇や小結よりも給与面の安定感が高いといえます。
- 大関は固定給が高い
- 角番制度がある
- 看板力士として扱われる
- 注目取組に入りやすい
- 懸賞機会も増えやすい
一方で大関は常に優勝争いや横綱昇進への期待を背負うため、成績が物足りない場合には収入以上の批判や重圧を受けやすい立場でもあります。
十両との境目は非常に大きい
大関の年収を語るときに見落としやすいのが、そもそも関取になること自体の大きな価値です。
十両以上になると月給が支給され、付き人がつき、個室や化粧まわしなど待遇面でも大きく変わるため、大相撲では十両昇進が収入面の大きな分岐点になります。
元関取のインタビューなどでも、幕下と十両では年収が大きく違うことが語られており、関取の中でもさらに大関まで上がることは、競技者として非常に限られた成功例といえます。
大関の3000万円という固定給は高額ですが、その背後には十両昇進、幕内定着、三役昇進、大関昇進という厳しい競争を突破した結果があると見ると、金額の意味がより立体的に見えてきます。
大関ならではの支出と責任
大関の年収は高く見えますが、収入の多さだけで生活の余裕を判断するのは早計です。
番付が上がるほど、後輩や付き人への配慮、後援会との付き合い、部屋内外での立場、巡業や式典への参加など、力士個人の財布や時間に影響する責任が増えていきます。
ここでは、額面収入からは見えにくい大関の支出や責任を整理し、なぜ年収3000万円以上でも単純な手取り感覚とは違うのかを解説します。
付き人への配慮が増える
大関になると複数の付き人がつくことが一般的で、身の回りの世話や移動の補助を受ける立場になります。
付き人は幕下以下の若い力士が務めることが多く、大関側は食事に連れて行ったり、日頃の労をねぎらったりする場面が増えるため、番付に応じた支出も自然に大きくなります。
| 支出の場面 | 内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 食事 | 後輩を連れて行く | 人数で増える |
| 移動 | 巡業や会合 | 頻度が多い |
| 心付け | 付き人への配慮 | 慣習面がある |
| 交際 | 後援者との交流 | 地位ほど重い |
このような支出は給与明細のように外から見えにくいため、大関の年収を高額と見るだけでなく、その地位に伴う出費の大きさも合わせて考える必要があります。
後援会との関係が重要になる
大関は個人の競技者であると同時に、部屋や後援者、地域の期待を背負う存在でもあります。
後援会との会合、激励会、祝賀行事、地域イベントなどに参加する機会が増えれば、移動や身だしなみ、贈答、関係維持のための時間的負担も大きくなります。
- 昇進祝賀会
- 激励会
- 巡業先での交流
- 地元行事
- スポンサー関係の対応
後援会は精神面や物質面で力士を支える存在ですが、番付が上がるほど期待も大きくなるため、大関の収入は個人の自由なお金というより、立場を維持するための活動資金も含んでいると考えられます。
けがのリスクも収入に響く
大関は高い固定給を得られる一方で、けがによる休場や成績低迷が年収に影響します。
休場すれば懸賞金を得る機会が減り、優勝争いにも参加できず、2場所連続負け越しによる陥落リスクも現実味を帯びてきます。
大関は横綱ほど引退圧力が強いわけではありませんが、角番という制度があるため、けがを抱えながら出場するか、休んで回復を優先するかという難しい判断を迫られます。
このリスクを考えると、大関の年収は単に高いだけではなく、身体を資本にして短い競技人生で地位と収入を守る不安定さも含んだ金額だといえます。
大関の年収を読むときの注意点

大関の年収について検索すると、3000万円、4000万円、1億円近い可能性など、さまざまな数字が見つかります。
それぞれの数字は完全に間違いとは限りませんが、固定給だけを示しているのか、懸賞金や優勝賞金を含めた総収入なのか、税引き前なのか手取りなのかで意味が変わります。
ここでは、ネット上の情報を読むときに混同しやすい点を整理し、大関の年収を過大評価しすぎないための見方を解説します。
額面と手取りを混同しない
大関の年収3000万円という数字は、基本的には税金や支出を差し引く前の額面として理解するのが自然です。
実際の手取りは、所得税、住民税、社会保険料、経費性のある支出、将来への備えなどによって変わるため、額面と同じ金額が自由に使えるわけではありません。
| 見方 | 含まれるもの | 注意点 |
|---|---|---|
| 額面年収 | 給与や賞金 | 税引き前 |
| 総収入 | 上乗せ込み | 年ごとに変動 |
| 手取り | 差引後 | 個人差が大きい |
| 可処分所得 | 支出後 | 外部から不明 |
そのため、大関の年収を比較するときは、どの段階の金額を見ているのかを確認しなければ、実際よりも多く見積もったり少なく見積もったりする原因になります。
一場所の懸賞金を年収化しない
大関がある場所で多くの懸賞金を獲得すると、その数字だけを見て年収が非常に高いように感じることがあります。
しかし懸賞金は場所ごとの成績と取組の注目度に左右されるため、1場所で多かった金額をそのまま6倍して年間収入と見るのは危険です。
- 休場があれば減る
- 負ければ受け取れない
- 対戦相手で本数が変わる
- 優勝争いで注目度が変わる
- 場所ごとの景気感も影響する
懸賞金を年収に含める場合は、年間を通してどれだけ出場し、どれだけ勝ち、どれだけ注目取組を制したかという継続性を見て判断するのが現実的です。
推定年収には幅がある
大関の正確な年収は、公開されている給与情報だけでは断定できません。
固定給の目安、懸賞金の制度、優勝賞金の金額は比較的整理しやすい一方で、力士褒賞金、税金、後援会関連の支援、個人の支出、資産管理の状況は外部から見えにくいからです。
そのため大関の年収を推定するなら、低めの見方では固定給3000万円を軸にし、好成績の年は懸賞金や賞金を加えて4000万円台以上、さらに優勝や高い人気が重なればそれ以上もあり得るという幅で捉えるのが安全です。
特定の力士について具体的な年収を断定する記事を読む場合は、どの収入項目を根拠にしているのか、税引き前か、年度や場所の条件が明記されているかを確認すると誤解を避けられます。
大関の年収を正しく見る視点
大関の年収は、固定給だけで見れば月給250万円、年額3000万円が中心的な目安になります。
そこに懸賞金、幕内優勝賞金、力士褒賞金などが加わるため、安定した成績を残して人気取組で勝つ大関ほど、実際の総収入は固定給を大きく上回る可能性があります。
一方で、税金や支出、付き人や後援会との関係、けがによる休場、角番や陥落のリスクを考えると、額面の大きさだけで経済的な余裕を判断するのは正確ではありません。
大関の年収を知りたいときは、3000万円という基礎部分に注目しつつ、どの力士がどれだけ勝ち、どれだけ注目され、どれだけ優勝争いに絡んだのかを合わせて見ることで、より現実に近い理解ができます。


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