大相撲における「大関」とは、単なる番付の一つではなく、力士として最高峰の実力と品格を認められた特別な地位です。横綱に次ぐ看板力士として土俵を支え、次期横綱候補として常に厳しい勝負の世界に身を置いています。
本記事では、現在活躍する現役大関の最新情報から、相撲史に名を刻んだ歴代の名大関たち、さらには知られざる給料事情や過酷な昇進・陥落ルールまでを徹底解説します。大関という地位の重みを知ることで、本場所の取組がより深く楽しめるようになります。
- 現役大関:令和の土俵を沸かせる最新の大関陣プロフィール
- 昇進と陥落:「3場所33勝」の壁と「カド番」の恐怖
- 待遇と特権:月給やボーナス、移動車などの優遇措置
- 歴代の記録:最強の大関や短命に終わった力士の歴史
大関一覧|令和を彩る現役大関と最新番付情報の詳細
現在の大相撲界を牽引するのは、若さと実力を兼ね備えた個性豊かな大関陣です。横綱への昇進を虎視眈々と狙う彼らは、毎場所優勝争いの中心に位置しており、その取組からは目が離せません。
ここでは、現役大関たちのプロフィールと相撲の特徴、そして彼らが大関としてどのような実績を積み重ねているのかを詳しく解説します。それぞれの力士が持つ背景や強みを知ることで、土俵上の攻防に見えるドラマがより鮮明になるはずです。
気迫あふれる取り口で土俵を支配する豊昇龍
元横綱・朝青龍の甥としても知られる豊昇龍は、叔父譲りの卓越した相撲センスと闘志あふれる取り口が最大の特徴です。足腰のバネを生かした多彩な技は観客を魅了し、不利な体勢からでも逆転できる驚異的な身体能力を持っています。
大関昇進後も安定して勝ち星を挙げており、優勝争いの常連として存在感を示し続けています。精神面での成長も著しく、勝負所での集中力や冷静な判断力は大関としての風格を感じさせるものであり、次期横綱への期待が最も高い力士の一人です。
名門の誇りを胸に突き進む琴櫻(旧・琴ノ若)
祖父に元横綱・琴櫻、父に元関脇・琴ノ若を持つ角界のサラブレッドは、恵まれた体格を生かした四つ相撲を得意としています。大関昇進を機に、祖父の四股名である「琴櫻」を襲名し、名門佐渡ヶ嶽部屋の看板を背負って土俵に上がっています。
右四つからの寄りは重厚感があり、相手を正面から受け止めて崩す正攻法の相撲は、まさに大関相撲の王道と言えるでしょう。怪我の少ない頑丈な体と稽古熱心な姿勢は高く評価されており、長期にわたって大関の地位を守り抜く安定感が魅力です。
新時代の怪物として記録を塗り替える大の里
初土俵からまたたく間に番付を駆け上がり、昭和以降最速記録で大関昇進を果たした大の里は、まさに「新時代の怪物」です。190センチを超える長身と180キロ近い巨体を生かした突き押しは、対戦相手を圧倒する破壊力を持っています。
学生相撲出身の実力者としてプロ入り前から注目されていましたが、その適応能力と成長速度は予想を遥かに上回るものでした。髷(まげ)が結えないほどのスピード出世で大関に到達した事実は、彼が持つ底知れないポテンシャルを物語っています。
優勝争いに絡む大関たちが直面する横綱への壁
大関の最大の目標は「横綱昇進」ですが、そのためには「2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績」という極めて高いハードルを越えなければなりません。単に勝ち越すだけでなく、常に12勝、13勝といった高いレベルの数字が求められます。
また、成績だけでなく「品格」も厳しく問われるため、土俵内外での振る舞いも審査の対象となります。現役大関たちは、この厚く高い壁を乗り越えるべく、日々の稽古と本場所のプレッシャーの中で戦い続けているのです。
怪我との戦いを乗り越える大関の精神力
激しいぶつかり合いが日常の相撲界において、怪我は大関にとっても最大の敵となります。膝や腰、首などに慢性的な痛みを抱えながらも、彼らは休場することなく土俵に上がり、結果を残さなければなりません。
万全の状態でない中でも勝ち星を拾う「負けない相撲」を取れるかどうかが、名大関となれるかどうかの分かれ道です。怪我を抱えながらカド番を脱出し、復活優勝を遂げた際に見せる涙は、彼らが背負う重圧の大きさを物語っています。
歴代の名大関たちと相撲史に残る昇進記録の数々

長い大相撲の歴史において、横綱には届かなかったものの、その強さと人気で一時代を築いた「名大関」たちが数多く存在します。彼らの活躍は記録だけでなく、ファンの記憶に深く刻まれています。
ここでは、圧倒的な勝星を積み上げた最強の大関や、異例のスピードで昇進した力士、そして惜しまれながら土俵を去った大関たちのエピソードを紹介します。歴史を知ることで、大関という地位の奥深さに触れてみましょう。
史上最多勝記録を持つ最強の大関・魁皇
大関在位65場所、通算1047勝という不滅の金字塔を打ち立てた魁皇は、間違いなく相撲史に残る最強の大関の一人です。豪快な右上手からの投げと、左四つからの寄りは「怪力」と称され、数々の横綱を苦しめました。
横綱昇進のチャンスを何度も怪我に阻まれながらも、そのたびに不屈の闘志でカド番を脱出し、地元福岡での優勝など数々のドラマを生み出しました。満身創痍の中で土俵に上がり続けた姿は、多くのファンに勇気と感動を与えました。
平成の大相撲を支えた千代大海と栃東
突き押しのスペシャリストとして大関の地位を長く守った千代大海と、技巧派として知られ横綱昇進目前まで迫った栃東も、平成を代表する名大関です。千代大海の回転の速い突っ張りは、相手に息つく暇を与えないほどの激しさがありました。
一方、栃東はおっつけや出し投げなど多彩な技を駆使し、大型化する力士たちを翻弄しました。彼らは同時代に活躍した横綱・朝青龍の好敵手として土俵を盛り上げ、優勝決定戦などの名勝負を数多く繰り広げました。
悲運の貴公子と呼ばれた初代貴ノ花
「角界のプリンス」として絶大な人気を誇った初代貴ノ花は、細身の体で大型力士に挑む姿が判官贔屓(ほうがんびいき)を呼び、相撲ブームを牽引しました。大関として長く活躍しましたが、あと一歩で横綱には手が届きませんでした。
しかし、その魂を受け継いだ二人の息子(若花田・貴花田)が後に揃って横綱となり、「若貴ブーム」を巻き起こしたことはあまりにも有名です。初代貴ノ花の功績は、自身の記録以上に相撲界全体への貢献度において計り知れません。
大関の地位と待遇における給料や特権の知られざる事実
厳しい昇進条件をクリアした大関には、関脇以下の力士とは一線を画す高い待遇と特権が用意されています。それは単なる金銭的な面だけでなく、移動や生活のあらゆる場面で「特別扱い」を受けることを意味します。
ここでは、一般的にはあまり知られていない大関の懐事情や、支度部屋での過ごし方、引退後の特典などについて掘り下げていきます。華やかな土俵の裏側にある、実力社会の現実を垣間見てみましょう。
月給250万円と高額なボーナス事情
大関の月給は現在250万円と定められており、年間の基本給だけで3,000万円に達します。これに加えて、本場所ごとの手当や力士褒賞金、さらには優勝した場合の賞金1,000万円などが加算され、年収は億を超えることも珍しくありません。
また、取組にかかる懸賞金も大きな収入源となります。人気と実力を兼ね備えた大関の一番には数十本の懸賞が懸かることもあり、勝利すればその手取り分(1本あたり約3万円)が一度に手に入ります。
移動車や付け人の数など支度部屋での待遇
大関になると、国技館への場所入りや地方巡業での移動において、タクシーや自家用車の利用が認められます。さらに、国技館の地下駐車場には専用の駐車スペースが確保され、移動のストレスから解放される特権があります。
身の回りの世話をする「付け人」の数も増え、関脇以下よりも多くの若手力士が付き従います。支度部屋では、大関専用のスペース(明け荷を置く場所など)が確保され、ゆったりとした環境で取組に備えることができるのです。
引退後に残る親方株取得への優遇措置
大関を経験した力士は、現役引退後に親方として協会に残る際にも大きな優遇措置があります。通常、親方になるには年寄株を取得する必要がありますが、大関経験者は条件が緩和され、比較的スムーズに親方への道が開かれます。
また、大関として顕著な実績を残した場合は、引退後3年間に限り現役名のままで親方として残れる特権が与えられることもあります。これは、長年の功績に対する相撲協会からの敬意と、指導者としての期待の表れと言えるでしょう。
厳しい昇進条件と陥落ルールにおける数字の壁

大関という地位は、一度手に入れれば安泰というわけではありません。昇進するためには極めて高いハードルを越える必要があり、昇進後も常に成績を維持し続けなければ、あっという間にその地位を失ってしまいます。
ここでは、大関昇進の目安とされる「33勝」の数字の意味と、力士たちを震え上がらせる「カド番」制度、そして陥落しても一度だけ許される特例復帰の条件について詳しく解説します。
直近3場所33勝という昇進目安の運用実態
大関昇進の基準は明文化されていませんが、慣例として「三役(関脇・小結)の地位で直近3場所合計33勝以上」という数字が目安とされています。平均して1場所11勝以上を3回続ける必要があり、極めて高い安定感が求められます。
ただし、これはあくまで目安であり、33勝に到達しても内容が伴わなければ見送られることもあれば、32勝でも優勝などのインパクトがあれば昇進することもあります。審判部の判断には、相撲内容や対戦相手の質も大きく影響します。
2場所連続負け越しで陥落するカド番制度
大関は、1場所負け越しただけでは地位を失いませんが、その翌場所を「カド番(角番)」として迎えます。カド番の場所でさらに負け越すと、関脇へと陥落してしまうという非常に厳しいルールが存在します。
カド番の大関は、千秋楽までに何としても8勝(勝ち越し)を挙げなければなりません。怪我をおして出場するケースも多く、カド番脱出をかけた一番は、優勝決定戦にも劣らない緊張感とドラマを生み出します。
関脇転落後の特例復帰条件10勝のハードル
カド番で負け越して関脇に陥落したとしても、その直後の場所で「10勝以上」を挙げれば、特例として大関に復帰できる制度があります。これは、長年大関を務めた力士に対する一種の救済措置と言えます。
しかし、満身創痍で陥落した力士にとって、翌場所すぐに10勝を挙げることは至難の業です。実際にこの制度を使って復帰できた力士は数えるほどしかおらず、多くの元大関がそのまま引退や番付降下を余儀なくされています。
大関を目指す関脇・小結など三役力士の動向分析
現役大関たちの脅威となるのが、次期大関の座を虎視眈々と狙う関脇・小結などの「三役」力士たちです。彼らは大関を倒して自らの評価を上げようと、毎場所激しい稽古を重ねて本場所に挑んできます。
ここでは、現在大関昇進に最も近い位置にいる実力派の関脇や、急速に力をつけてきた若手力士、そして一度は大関から陥落したものの返り咲きを狙うベテランたちの最新動向を分析します。
安定した成績を残し続ける関脇の実力者たち
関脇の地位を長く守っている力士は、いつ大関に上がってもおかしくないだけの実力を持っています。彼らは上位陣との対戦でも互角以上に渡り合い、二桁勝利を挙げることもしばしばあります。
特に、「あと1勝で33勝」という場面まで迫る力士もおり、その取組は場所中の大きな見どころとなります。彼らが壁を破れるかどうかは、精神面での強さと、ここ一番での勝負運にかかっていると言えるでしょう。
急成長を見せる若手力士と大関昇進の可能性
近年、幕下付け出しや学生相撲出身の若手力士が、驚異的なスピードで番付を上げてくるケースが増えています。彼らはプロの土俵に慣れるやいなや、持ち前のパワーとスピードで上位陣を圧倒します。
こうした若手の台頭は、現役大関にとっても大きな刺激となります。勢いに乗った若手が三役に定着し、そのまま一気に大関取りを果たすのか、あるいは上位の厚い壁に跳ね返されるのか、世代交代をかけた戦いは常に注目されています。
ベテラン力士が再び大関を狙うための戦略
一度は大関の地位にありながら、怪我や不調で番付を下げた力士たちも、決して諦めてはいません。彼らは豊富な経験と熟練の技を武器に、若手にはない巧みな相撲で再び上位を目指します。
かつての大関が平幕や三役で勝ち星を重ね、再び大関昇進の足掛かりを作る姿は、多くのオールドファンを熱くさせます。体力の衰えを技術でカバーし、一花咲かせようとするベテランの意地は、大相撲の深い魅力を体現しています。
まとめ
大関とは、実力、品格、そして精神力のすべてが高いレベルで求められる、相撲界における特別な称号です。現役の豊昇龍、琴櫻、大の里といった力士たちは、それぞれの個性を武器に土俵を沸かせ、次なる横綱の座を目指してしのぎを削っています。
また、月給250万円という高待遇の裏には、「3場所33勝」という過酷な昇進条件や、2場所連続負け越しで陥落する「カド番」のプレッシャーが存在します。華やかなスポットライトの影で、怪我や重圧と戦い続ける彼らの姿こそが、大相撲をこれほどまでにドラマチックなものにしているのです。
本場所を観戦する際は、ぜひ大関たちの取組に注目してみてください。単なる勝ち負けだけでなく、彼らが背負っている地位の重みや、昇進・陥落をかけたギリギリの戦いを知ることで、土俵上の攻防がより一層味わい深いものになるはずです。推しの大関を見つけ、その成長と挑戦を応援してみてはいかがでしょうか。



コメント