「力士は1食で米を何升食べるのか?」「ちゃんこ鍋以外には何を食べているのか?」そんな疑問を持ったことはありませんか。テレビ中継で見かける強靭な肉体は、想像を絶する食事量の積み重ねによって作られています。
この記事では、相撲界に伝わる伝説的な食事エピソードから、現代力士の意外な食事情までを網羅しました。規格外の胃袋が支える「食」の裏側を知れば、土俵上の戦いがより奥深く見えてくるはずです。
- 歴代横綱が残した驚愕の爆食伝説
- ちゃんこ鍋に隠された合理的な栄養管理
- 現代力士が取り入れる最新の食事法
力士の食事エピソードで知る規格外の胃袋!ちゃんこ鍋と驚きの食習慣とは?
力士にとって食事は単なる栄養補給ではなく、稽古と同じくらい重要な「修行」のひとつです。一般成人男性の数倍とも言われるカロリーを摂取し、戦うための巨大な体を作り上げていきます。
ここでは、相撲界特有の食事ルールや、力士たちの身体を支える基本的な食習慣について詳しく解説します。伝統的な「ちゃんこ」の定義から、効率的に体重を増やすための驚きの工夫まで見ていきましょう。
「ちゃんこ」は鍋料理だけではない意外な定義
一般的に「ちゃんこ」といえば鍋料理を指すと思われがちですが、相撲界では「力士が作る料理」すべてをちゃんこと呼びます。カレーライスやパスタ、ハンバーグであっても、力士が作ったものであればそれは立派なちゃんこなのです。
鍋料理が主流である理由は、一度に大量の食材を調理でき、肉や野菜をバランスよく摂取できるためです。さらに、鍋は配膳の手間が少なく、大人数で囲んで食べることで部屋の結束力を高める効果もあります。
かつては「手をつく(負ける)」ことを連想させるため、四足歩行の牛や豚を避け、鶏肉(ソップ)のみを使用する伝統がありました。現在では栄養価重視の観点から、豚肉や牛肉も積極的に取り入れられ、味のバリエーションも豊富になっています。
体重増加を狙う「1日2食」の合理的な戦略
力士の食事回数は、基本的に朝稽古の後と夕食の「1日2食」が定着しています。これは空腹時間を長く設けることで、食事の際にインスリンの分泌を促し、摂取した栄養を効率よく脂肪や筋肉に変えるためです。
朝食を抜いた状態で激しい稽古を行い、枯渇した身体に大量の食事を流し込むことで、吸収率を極限まで高めています。一般人がこの生活を真似すると健康を害する恐れがありますが、力士にとっては体を大きくするための理にかなったメソッドなのです。
近年では、代謝を維持するために軽い朝食を摂る部屋や、補食を取り入れる力士も増えてきました。しかし、基本となる「空腹状態でしっかり食べる」という増量の鉄則は、今も昔も変わりません。
食後の昼寝も重要な「稽古」の一部
昼のちゃんこを大量に食べた後、力士たちはすぐに昼寝をしますが、これも体を大きくするための重要なルーティンです。食後に睡眠をとることで、消化器官への血流を促し、栄養の吸収と身体の修復を最大限にサポートします。
食べてすぐ寝ると「牛になる」と言われますが、力士にとっては「牛のように大きくなる」ことが目標そのものです。この昼寝の時間は、激しい朝稽古で傷ついた筋肉を回復させ、午後の活動や翌日の稽古に備える休息の時間でもあります。
昼寝の最中には成長ホルモンが分泌され、筋肉の合成が促進されると言われています。つまり、力士にとっての睡眠は、単なる休憩ではなく、身体をビルドアップするための能動的な時間なのです。
どんぶり飯は当たり前!米への執着
おかずとしてのちゃんこ鍋も重要ですが、体を大きくする主役は何といっても「米」です。新弟子時代には、先輩から「どんぶり飯を最低3杯は食べろ」といったノルマを課されることも珍しくありません。
米に含まれる炭水化物は、激しい稽古を乗り切るためのエネルギー源となり、身体のボリュームアップに不可欠です。古くは明治時代の力士たちも、おかずが少ない中で大量の米を食べ、強靭な肉体を作り上げていたという記録が残っています。
食事の最後に、鍋の残り汁にご飯を入れて雑炊にし、最後の一粒まで食べ尽くすのが流儀です。胃袋が限界を迎えてからの「もう一口」が、力士としての素質を育てると信じられています。
ちゃんこ番が担う部屋の味と序列
相撲部屋の台所を預かる「ちゃんこ番」は、主に幕下以下の若手力士たちが交代で務めます。彼らは稽古の合間を縫って買い出しや調理を行い、親方や関取たちの舌を満足させる料理を作らなければなりません。
料理の腕前が出世に響くわけではありませんが、美味しいちゃんこを作れる力士は部屋内での信頼を得やすくなります。また、先輩たちが食べる様子を観察し、好みを把握することは、気配りや目配りを学ぶ修行の一環でもあります。
食事の席順にも厳格な序列があり、親方と関取が最初に箸をつけ、若手力士はその後で食事をとります。関取になれば好きなものを好きなだけ食べられますが、若手のうちは「ちゃんこ番」としての務めを果たしながら、ハングリー精神を養うのです。
伝説の力士たちが残した規格外の爆食記録
相撲の歴史を振り返ると、記録だけでなく記憶にも残る大食い伝説を持つ力士が数多く存在します。彼らの胃袋のエピソードは、単なる大食いの枠を超え、もはや神話のような響きさえ持っています。
ここでは、特に有名な元大関・小錦や元横綱・白鵬など、歴史に名を刻む力士たちの豪快な食事エピソードを紹介します。数字の桁が違う彼らの食事風景を想像しながら、その凄まじさを感じてください。
元大関・小錦の「寿司250個」伝説
黒船のごとく来日し、その巨体で角界を席巻した元大関・小錦(KONISHIKI)には、数々の大食い伝説があります。中でも有名なのが、プロレス転向後に記録したとされる「一度に寿司250個」を平らげたというエピソードです。
現役時代にも、焼肉店で数十人前の肉を注文し、店内の在庫を食べ尽くしたという逸話が残されています。また、から揚げなら100個、ステーキならキロ単位でペロリと食べるなど、その胃袋の容量は底なしでした。
小錦自身は「食べることはトレーニング」と語っており、あの巨体を維持するために凄まじい努力をしていたことが窺えます。引退後には胃の縮小手術を行い大幅な減量に成功しましたが、現役時代の食欲は今も語り草です。
元横綱・白鵬の「食と健康」へのこだわり
歴代最多優勝記録を持つ元横綱・白鵬(現・宮城野親方)は、量だけでなく質へのこだわりも一流でした。若い頃はジンギスカンを大量に食べて身体を作りましたが、ベテラン期に入ると「断食(ファスティング)」を取り入れるなど、科学的なアプローチで体調管理を行っていました。
彼は「食べるが勝ち」という従来の常識に疑問を持ち、内臓を休ませることでパフォーマンスを向上させる手法を確立しました。また、モンゴル出身らしく羊肉を好み、その栄養価の高さを力説していたことでも知られています。
白鵬の食事に対する姿勢は、単にカロリーを摂取するだけでなく、身体の声を聞きながら調整するアスリートとしての知性を感じさせます。この柔軟な思考こそが、長く第一線で活躍できた秘訣なのかもしれません。
昭和の力士たちが残した武勇伝
昭和の時代には、現代よりもさらに豪快で、コンプライアンスなどどこ吹く風の食事エピソードが数多く存在します。ある力士は、病気の際にお粥ではなく「うな丼15杯」を食べて治したという、信じがたい記録を残しています。
また、地方巡業やタニマチとの宴席では、出された料理を残すことは許されないという暗黙の了解がありました。限界を超えて食べ続けることで、精神的なタフさと、支援者への感謝(という名の忍耐)を養っていた時代でもあったのです。
これら昭和の武勇伝は、現代のスポーツ科学から見れば非合理的かもしれません。しかし、常人離れした食事が「超人」としての力士のイメージを作り上げ、大相撲の人気を支えてきた側面も否定できないのです。
意外な好物?力士と甘いもの・ファストフード
屈強な力士たちが、小さなケーキやハンバーガーを嬉しそうに食べる姿には、独特のギャップ萌えがあります。実は、力士の中には無類の「甘党」や「ジャンクフード好き」が少なくありません。
厳しい稽古のストレスを癒やす甘味や、手軽にカロリーを摂取できるファストフードは、力士たちにとって貴重な楽しみです。ここでは、土俵外で見せる可愛らしい食の好みについて掘り下げてみます。
「スイーツ親方」を生んだ甘党の系譜
第62代横綱・大乃国(現・芝田山親方)は、角界きっての甘党として知られ、「スイーツ親方」の愛称で親しまれています。現役時代から全国のケーキや和菓子を食べ歩き、その知識と舌はプロの評論家顔負けのレベルです。
激しい運動で糖分を欲する力士にとって、甘いものは即効性のあるエネルギー源であり、心のオアシスでもあります。最近ではSNSでスイーツを楽しむ様子をアップする若手力士も増え、強面とのギャップがファン層の拡大に一役買っています。
彼らは単に甘いものが好きなだけでなく、どら焼きやシュークリームを一口で頬張るなど、食べ方にも豪快さが表れます。差し入れに大量のスイーツが届くことも多く、部屋の冷蔵庫が甘味で埋め尽くされることもあるそうです。
ハンバーガー数十個は朝飯前
力士がファストフード店に行くと、店員がざわつくという都市伝説がありますが、これはあながち嘘ではありません。ハンバーガーショップで「とりあえず20個」といった注文が飛び交うのは、彼らにとっては日常茶飯事だからです。
手軽に片手で食べられ、高カロリーなハンバーガーは、移動中や小腹が空いた時のスナック感覚で消費されます。一般人なら3セットも食べれば満腹になりますが、力士にとっては前菜レベルのボリュームに過ぎません。
かつてハワイ出身の力士たちが活躍した時代には、特大サイズのバーガーやピザが日常的に部屋に運び込まれていました。この食文化の融合が、力士の体格大型化に拍車をかけた要因の一つとも言われています。
現代っ子力士の偏食とこだわり
最近の若手力士、いわゆる「Z世代」の力士たちは、食の好みも多様化しています。中には「ラーメンが苦手」という力士や、特定のプロテインしか飲まないといった、独自のこだわりを持つ者も現れました。
尊富士のように、祖母が作った郷土料理やおにぎりで育ち、シンプルな和食を好む力士もいれば、最新の栄養学に基づいてサプリメントを駆使する力士もいます。一昔前のように「何でも食べて大きくなれ」という指導だけでなく、個々の体質に合わせた食事管理が進んでいます。
好き嫌いが多いことは褒められたことではありませんが、自分の体に合う食材を見極める能力も現代のアスリートには必要です。部屋のちゃんこも、若手の好みに合わせて洋風や中華風など、メニューの多国籍化が進んでいるようです。
酒豪伝説!規格外のアルコール消費事情
「酒もまた、米のエキスである」と言わんばかりに、相撲界には桁外れの酒豪伝説が数多く存在します。大きな体を維持し、ストレスを発散するために、浴びるようにお酒を飲む力士たちの姿は、ある種の様式美さえ感じさせます。
ここでは、ビールケースを椅子代わりに飲み干す逸話や、タニマチとの豪快な宴席事情について紹介します。ただし、近年は健康志向やお酒を飲まない力士も増えており、事情は少しずつ変化しているようです。
「升(ます)」ではなく「丼」で飲む日本酒
優勝力士が大杯で酒を干す姿は有名ですが、日常の飲み会でもその器のサイズはおかしいことがあります。日本酒を小さなお猪口でちびちび飲むことは稀で、コップや丼、時にはどんぶり鉢になみなみと注いで回し飲みをすることがあります。
かつては「酒は一升からが適量」などと豪語する力士もおり、一晩で数升の日本酒が空になることも珍しくありませんでした。アルコール分解能力も常人離れしており、翌朝の稽古では汗と共に酒を完全に抜いてしまうというから驚きです。
これは単なる大酒飲みというだけでなく、先輩や後援者とのコミュニケーションツールとしての側面も強くありました。酒席での振る舞いや礼儀作法も、力士が社会性を学ぶ重要な場とされていたのです。
焼肉屋の会計がとんでもないことに
力士数人を焼肉に連れて行くと、会計時に店主が青ざめるか、逆に歓喜すると言われています。彼らは肉を「枚」ではなく「皿」単位、時には「牛一頭」に近いレベルで平らげるため、請求額が数十万円に達することもザラです。
こうした高額な食事代を支えているのが、全国各地に存在するタニマチ(後援者)の方々です。力士の食べっぷりの良さは「見ていて気持ちがいい」と喜ばれ、それが新たな支援やファンの獲得に繋がることもあります。
しかし、若手力士だけの食事会などでは、兄弟子が全額を負担する「ごっつぁん」の文化も根付いています。稼げるようになった関取が下の者の面倒を見る、この循環が相撲界の経済を回しているのです。
変化する現代の飲酒事情
昭和の豪快な酒飲みエピソードに対し、近年では「お酒を一滴も飲まない」という関取も珍しくありません。コンディション維持を最優先し、アルコールによる筋肉分解や内臓疲労を避けるため、炭酸水やウーロン茶で宴席を過ごす力士が増えています。
また、協会によるコンプライアンス指導も厳しくなり、無理な飲酒の強要や泥酔による不祥事は厳禁となっています。力士のプロ意識が高まるにつれ、「酒豪=強い力士」という図式は、過去のものになりつつあるのかもしれません。
とはいえ、祝いの席での鏡開きなど、相撲と日本酒の文化的結びつきは依然として強固です。現代の力士たちは、伝統と実益のバランスをうまく取りながら、お酒との距離感を保っているようです。
力士の健康管理と引退後の食生活
現役時代は「太ること」が正義ですが、引退後は一転して「痩せること」が健康維持の鍵となります。長年の過剰摂取と激しい運動で酷使した体を、どのようにケアしていくのかは、元力士にとっての第二の戦いです。
ここでは、現役中の健康管理の工夫や、引退後のダイエット事情について解説します。特殊な身体を持っていた彼らが、一般社会の食生活に戻るまでの道のりは、決して平坦ではありません。
実は健康的?ちゃんこ鍋の栄養バランス
大量に食べるイメージばかり先行しますが、実はちゃんこ鍋自体は非常に優れた健康食です。肉や魚のタンパク質に加え、白菜、ネギ、ニラ、キノコなどの野菜を大量に摂取できるため、ビタミンや食物繊維が豊富に含まれています。
油で揚げたり炒めたりする料理に比べ、煮込むことで余分な脂が落ちるため、カロリーの割にヘルシーです。力士が太るのは、ちゃんこ自体が高カロリーだからではなく、一緒に食べる「米の量」と「回数」が桁違いだからなのです。
実際に、野菜中心のちゃんこ鍋を適量食べることは、一般人のダイエットメニューとしても推奨されています。力士の肌がツヤツヤしていることが多いのは、このバランスの取れた鍋料理のおかげだと言われています。
サプリメントと科学的トレーニングの融合
現代の相撲部屋には、昔ながらの鉄砲柱の横に、最新のトレーニングマシンやプロテインシェイカーが置かれています。食事だけでは補いきれない栄養素を、サプリメントで効率的に摂取する考え方が浸透してきました。
特に怪我の予防や回復のために、グルタミンやビタミン剤、関節ケアのサプリメントを愛用する力士は多いです。血液検査のデータを基に、栄養士の指導を受けて食事メニューを調整する部屋もあり、根性論だけではない科学的な体作りが進んでいます。
これにより、以前よりも力士の体格は大型化しつつ、筋肉量の多いアスリート体型が増えています。伝統的なちゃんこと最新の栄養学のハイブリッドが、現代の大相撲を支えているのです。
引退後の「胃袋縮小」への挑戦
現役を引退した親方や元力士たちが直面する最大の課題が、現役時代の食欲との決別です。運動量が激減した状態で以前と同じ量を食べ続ければ、瞬く間に内臓疾患や重度の肥満に陥ってしまいます。
多くの元力士は、現役を退いたその日から、食事量を減らし、野菜中心の生活に切り替える努力をします。しかし、拡張された胃袋を小さくするのは容易ではなく、小錦さんのように外科手術を選択するケースや、厳格なダイエットプログラムに取り組む人もいます。
髷(まげ)を切り落とすと同時に、力士としての体ともお別れをする。この切り替えができるかどうかが、引退後の長い人生を健康に過ごせるかの分かれ道となるのです。
まとめ
力士たちの食事エピソードは、単なる「大食い自慢」ではありません。それは、過酷な土俵で戦うための身体を作り、部屋の伝統を守り、支援者との絆を深めるための重要な営みであることが分かります。
ちゃんこ鍋一つをとっても、栄養バランスや調理の工夫、そして若手力士の修行の場としての意味が込められています。彼らが口にする膨大な量の食事は、勝利への執念とプロフェッショナルとしての覚悟の結晶なのです。
今後、テレビで力士が食事をしているシーンや、ちゃんこ鍋の話題を目にした際は、その背景にあるドラマを思い出してみてください。規格外の食事に支えられた力士たちの姿が、より一層力強く、そして魅力的に映ることでしょう。
- もし機会があれば、相撲部屋直伝のちゃんこ鍋レシピを自宅で試してみてください。
- 会場に足を運び、本物の力士の体の大きさと、それを支えるエネルギーを感じてみましょう。


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